あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


「食事だけでいいんですね?」


一回言ってしまえば興味も離れるだろう。
そう念押しをすれば、クスクスと楽しそうに笑った。


「うん。約束だからね」


この際だから絶対高いところを要求してやる。アルコールさえ入れなければこっちのものだ。


「いつにしよっか」

「…撮影さえ無ければいつでも」

「お、積極的だね」

「早く済ませたいだけです」


ふい、と視線を逸らす。


「じゃあ明後日は?」

「性急じゃないですか」

「だって俺はずっと待ってたから」

「……」


霜月さんを黙って見つめ返す。
少しだけ伸びた銀色の髪は後ろで軽く結えられ、その時間だけあれから時が過ぎていたのだと実感した。


「来週までは撮影が入ってて無理です」

「えー、そんなに待たないといけないの?」

「私は別に行かなくていいんですけど?」

< 30 / 331 >

この作品をシェア

pagetop