あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
続いて来てくれたのは男性で、昔からのファンだと言った。
「グラビアしてた頃から白雪ちゃんのファンで…」
「そんなに前からですか?すごく嬉しいです」
差し出された手を両手で握れば、男性は顔を赤くして俯いた。
「サインの宛名はどうされますか?」
「あ…じゃあ鈴木で…」
サイン本に鈴木さんへと書き、手渡す。
「ありがとうございます、鈴木さん」
微笑みを向け差し出したものを受け取った時、鈴木と名乗った男の手は私の両手に重ねられた。
「……」
その手に何かゾクリとしたものを感じたものの、顔には出さなかった。何か変なことをしようものなら控えている男性スタッフから声がかかるようにしている。
この程度ならば許容範囲だと我慢していれば、そのままするりと撫でられた。
「あの…自分の事、覚えてませんか」
「…はい?」
ぼそりと呟かれた言葉に聞き返せば、鈴木は眼鏡の奥の瞳を伏せる。