あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
エピローグ
『続いて速報です。突然ですが先程、女優の及川白雪さんが結婚されたと、彼女の所属事務所が発表しました』
以前の家より格段に広くなったリビングに置かれたソファで、私はテレビの画面を眺めていた。
ようやく発表されたんだ、そう思っていると良い香りが鼻をくすぐる。
「白雪、朝ごはんできたよ」
腕の傷がようやく塞がり、この度抜糸をして完治までもうすぐというところまできた漣がキッチンからそう声をかけてきた。
「ありがとう、漣。…腕は大丈夫?」
「全然平気。今まで何も出来なくてごめんね」
「いや…寧ろそれ、私の台詞…」
この数ヶ月、顔の傷が目立たなくなるまでの数週間のうちに引越しを行い、その後は和泉さんに仕事を調整してもらい仕事を抑えめにしていたので家にいる時間は長かった。
が、あまりの家事スキルの無さ——特に料理が絶望的に下手で、結局ハウスキーパーを雇う羽目になった。
不甲斐なさに落ち込みはしたものの、漣は責める事なく些末なこととして片付けた。