あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


晴れて漣の腕が快方に向かい、今日は久しぶりに漣の手料理を食べられるようになったのだ。


「和食好きの白雪の為に色々準備したよ」


朝、私が目を覚ますと漣は既に布団から消えておりキッチンに立っていた。そのおかげなのか、差し出された盆の上には立派な和食御膳が並べられている。

ブリのソテーにほうれん草とえのきのおひたし、人参とツナのサラダに具沢山の味噌汁。そして私の好みに合わせた甘い卵焼き。


「美味しそう…」


テーブルに乗せ、思わず呟けば漣から「良かった」と嬉しそうに声がかけられた。

漣の分も食卓に乗せ、向かい合って座り手を合わせる。


「いただきます」

「どうぞ召し上がれ」


箸を持ち、味噌汁に手を伸ばしたところで先程のニュースの続きを話すアナウンサーの声が耳に入ってくる。


『お相手については詳しい公表はありませんが、及川さんは近くフランスへ住居を移し今後は日本と2拠点での活動になるとのことです』

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