あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
そう思った時、駆けつけた白雪の表情に全ての思考が吹き飛んだ。
可愛くてたまらない俺のお姫様は、俺の下心など露知らず俺の無事を涙して喜んでいる。
そんな彼女を見た瞬間、やはりやめておいて良かったと少しだけ溜飲が下がった。必要以上に白雪にトラウマを植え付けるのは本意では無い。
それに凶器を持ち出しそれなりに深い傷を負わせたという事で、確実に塀の向こうには行くだろうから弁護士を雇って徹底的にぶちのめす。それで出来るだけ長くぶち込んでおけばいい。
あとは白雪が、この状況でどういう決断をするかだが。
やはり俺の目論見通り、白雪は結婚を公表して俺に着いてくると言った。
温室育ちの白雪ならば、俺が深い傷を負った姿を見れば失う恐怖に駆られると踏んでいた。彼女への手紙を見た時から、こうなる予感はどこかしらにあった。
白雪があまりに不安そうにするから引越しなんて提案をしてはみたが、行動に移す前にこうなって俺としては結果僥倖である。
——本当に、可哀想な白雪
大人しくあの新木とかいう男を選んでおけば、こんな頭のおかしい男に捕まらずに済んだのに。
だがまあ、それも今更だ。
ここまで堕ちてくれたならば、どこまでも甘やかして幸せな夢を見させてやればいい。俺が白雪の為だけに存在していると言うのは、何一つだって嘘じゃないのだから。
「…愛してるよ、白雪」
俺の心を奪った罪、狂気を暴いた罪はその心と体で償ってもらう。
…これで本当に、彼女は俺だけのものだ。