あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「特別な事なんて必要ない。ただ寝っ転がってお喋りするだけでいいし、一緒にゲームをしたっていい。…俺たちには、そんな時間が必要だろ?」
「……」
お互いを知るより先に身体を繋げてしまった私たち。再会した時にはお互い売れっ子で忙しくて、団欒なんてものは縁遠かった。
それが奇しくも今、叶おうとしている。
「…うん、そうだね」
漣の手のひらで踊らされている感覚は否めない。けれどよくよく考えれば、そんなのは些細な事だ。
例えそれが事実であったとしても、私にとってそんなのは大した事じゃない。
「…ねえ、漣」
静かに話しかければ、箸を伸ばしていた漣の視線が私を捉える。
「…これからも、何があっても私を愛していてくれる?」
そう問い掛ければ、漣は「何言ってんの」と笑った。
「先に俺の心を奪っていったのは、白雪の方でしょ?」
そう言った漣の瞳は酷く妖艶で、美しく…獰猛だった。
その瞳を見た瞬間、私はもう二度とこの瞳からは逃れることはできないのだと、改めて感じた。そして同時にそれを見続けていたいとも思った。
私だって、漣から奪った彼の心を返すつもりは…微塵も無い。
fin...


