あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「今日担当するスタイリストの霜月漣です。よろしくね」
「えっ!あ、はい…」
びっくりした。モデルじゃなかったのか。
そう見紛うくらい華やかな容姿をしている。
銀色に染められた髪がそれを際立てているのかもしれないが、一般人と呼ぶにはあまりに俗世とはかけ離れすぎていた。
霜月さんは自分に寄るよう促すとラックにかけてあった服について説明を始める。
けれど私の視線はその美しい横顔へ向いたままで、それに気づいて彼はにこりと微笑んだ。
「白雪ちゃん、聞いてる?」
その言葉にハッとした。何してるんだ私は。
「す、すみません!」
「いいよ。…緊張してる?」
人見知り?そう聞かれ首を振った。
「モデルさんかと思ったのに違ってびっくりしてました…」
「鋭いね。半分当たり」
「え?」
「学生時代、少しだけやってた事があるんだ」