あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
そう言って霜月さんは聞いた事のある雑誌名を出してきた。
「そうだったんですね。知りませんでした」
「だろうね。その頃白雪ちゃん中学生とかだろうし、その雑誌を読んでるはず無いから」
「霜月さんおいくつなんですか」
「25」
5つ上か…。落ち着いた雰囲気だからもっと上かと思っていたけれど思ったより若かった。
話している間も霜月さんの手はゆったりと動いていて、服に触れたり、小物を動かしたり。
——指、きれい…
撮影のイメージを確認し合うためのただの作業なのに、その容姿のせいなのかいちいち色っぽい。
気を抜けば持っていかれそうだ。
そんな感想を抱いていると霜月さんは顔を覗き込んできた。
「…っ」
やばい。近くで見るともっとかっこいい。
思わず息を呑むと、霜月さんは柔らかく目を細めた。
「綺麗だね」
「えっ、」
囁かれた言葉に心臓が大きく波打った。