あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


再び視線を合わすと、霜月さんの瞳が愉しげに細められていた。
瞬間悟る。揶揄われていると。


「俺、白雪ちゃんにひとめぼれしたみたい」

「…揶揄ってます、よね」

「ううん。超本気」


霜月さんはそう言うと、髪を一房掬った。


「顔も、髪も、身体も、全部好み」

「…私達、初対面ですよね?」

「うん。だから、一目惚れ」

「…困ります」

「どうして?」


白雪ちゃんも俺のこと好みでしょ?そう目が言っていた。


「…事務所、恋愛NGです」

「そうなんだ。けどバレなきゃよくない?」

「いやだから…」

「俺、そういうの得意だから」


私の髪を掬っていた手が傾き、ぱらぱらと落ちていく。

得意。得意ってなんだ。
慣れているから大丈夫ってこと?つまりは遊び相手が欲しいだけ?
それこそダメでしょ、醜聞が過ぎる。

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