ハッピーエンド・オーバー
続くはずのない同棲生活
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『身長もあるし、羊はきっと伸びる!』
そんなふうに、未経験ながら父による謎の自信と独断で通い始めたバスケットスクール。それが案外楽しくて、おかげでお洒落や流行といったキラキラとは縁遠い思春期を過ごす事になるけれど、充実した毎日を送っていた。
スポーツの邪魔になるからと高校までずっとショートカットだった。服装はボーイッシュで、制服以外のスカートも、ましてやヒールなんてとんでもない。
どこにでも居るスポーツ少女。ただおかしなことに、170cmの高身長も相まって、女子生徒からは異性に向けるものと同じ、憧れの対象として見られていた。後輩が多かったように思える。
女だけど、可愛いは私の対象外にあって、
『枢木くん、前髪結んでる』
『カワイイ〜!』
男だけど、可愛いはあきくんの対象内。
『俺、榛名よりチョコを貰える自信が無い』
バレンタインが近くなると、異性による酷い妬みに晒されることもあった。言い返すほどの度胸はなく、かと言って、笑い話にするには失礼で。容赦なく突き立てられる棘にも慣れるしかなかった。
『俺ら女よりモテないってなに』
『切ね〜……榛名、性別詐称してんじゃね』
『だよな。まあ、女でも俺は榛名と絶対付き合わねえけど』
『たたねえよな』
『それな!』
下品な笑い話にも、慣れるしかなかった。
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