ハッピーエンド・オーバー
婚姻届を提出してこのマンションに案内された。するとどうだろう。たったこの二日間の疲れが睡魔となってあらわれソファーで眠ろうとしたので、『服、洗濯するからこれ着て俺の部屋で寝たら』と言われた。寝具はひとつしかないらしい。
あきくんはどうするんだと悩んだのは覚えている。しかながら、その場で寝落ちしたのか、昨夜の記憶はそこで停止している。
あきくんに甘えすぎだなあと反省しつつ、朝食の前にシャワーを浴びた。
初めて使用するバスルームはホテルと見紛うほどの広さで、壁や天井も、照明も、シャワーヘッドまでオシャレで朝からちょっとした感動だ。お風呂が嫌いな私にとって、バスルームが可愛いとお風呂への足も軽くなる。
シャンプーやトリートメントもいい香りがした。バスタオルもふわふわだった。パジャマがないからと借りていた服は綺麗にたたみ、あきくんが洗濯してくれた昨日と同じ服に着替える。下着だけは再びコンビニのお世話になった。
あきくんが使用しているスキンケアを使っていいと言われた。言われた場所を探すと一式を発見した。あきくん御用達ブランドなのか、デパコスで揃えられていた。
「(美意識、高……)」
いや、ちがうな。おそらくいつかの恋人がもたらした知識なのだろう。