ハッピーエンド・オーバー
浴室を出るとダイニングには朝食が並べられていた。虚食、またはシリアルや栄養補助食品で朝食を補う私にとって、クロワッサンとハムエッグ、モッツァレラチーズとフルーツの乗ったサラダ。360℃どこを切り取ってもオシャレ上級者な朝食は眩しすぎる。
「美味しそう!あきくんが作ってくれたの?」
「そりゃあ、俺以外の誰かが作ったら問題だよな」
「確かに。あ、そうだ。服、貸してくれてありがとう」
「ん。つかその服、まさか三日目?」
「そういうことになりますね」
「……適当に手配するわ」
さすがに同じ服が四日連続となると女性として何かを失う気がするので、短く悩み、甘えることを選んだ。
「サイズは?S?」と、クロワッサンを頬張りながらあきくんは訊ねるので「一応。でもブランドによっては丈が足りない時もあるから、トップスだけ用意してくれると助かる」と、説明をプラスさせた。ふうん、と頷いたあきくんは、その視線を宙に漂わせた。
「週末は、はるの家具と服を買いに行こうか」
「うん。ありがとう」
「役所関係と、火事の事後処理は俺がなんとかする」
「無理でしょ。当事者は私だもん」
「夫って肩書きはそれを可能にしてくれるんだよ」
「(……そうか)」
目の前にいるのは昨日まで幼なじみだった男。数時間前夫になった男だ。