この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「いいえ。すごく素敵な考え方だと思います」
高史郎の意見を聞いてからあらためて木蓮を眺めると、可憐さの内側に強さを秘めているように思えてより一層美しく感じる。
チラリと隣に目を向ければ、高史郎は恋焦がれるような甘い眼差しを風に揺れる花に注いでいた。
その横顔の綺麗さに環は呼吸すら忘れてしまいそうになる。
「この花は……環みたいだな」
決して大きな声ではないのに、空気を涼やかに震わせて環の耳へとダイレクトに届いた。
「わ、私?」
「君も頑固で他人の色に染まることはなさそうだから」
「それは……褒めているのかけなしているのか、どちらでしょうか?」
「前者のつもりだ」
さらりと告げて高史郎はふっと優しく笑んだ。
どうしようもなく胸が高鳴って、鼓動はドクンドクンと打ちつけるたびに存在感を増していった。
もはや自分の心臓の音しか聞こえない。
「それに」
ふいに彼が大きく一歩を踏み出して環の髪に顔を近づける。
「匂いも似てる。柔らかくて、ほのかに甘い」
顔がボッと熱くなって、鏡で見るまでもなく自分の頬が真っ赤に染まっているであろうことがわかった。
(こ、これは不意打ちすぎる!)
高史郎の意見を聞いてからあらためて木蓮を眺めると、可憐さの内側に強さを秘めているように思えてより一層美しく感じる。
チラリと隣に目を向ければ、高史郎は恋焦がれるような甘い眼差しを風に揺れる花に注いでいた。
その横顔の綺麗さに環は呼吸すら忘れてしまいそうになる。
「この花は……環みたいだな」
決して大きな声ではないのに、空気を涼やかに震わせて環の耳へとダイレクトに届いた。
「わ、私?」
「君も頑固で他人の色に染まることはなさそうだから」
「それは……褒めているのかけなしているのか、どちらでしょうか?」
「前者のつもりだ」
さらりと告げて高史郎はふっと優しく笑んだ。
どうしようもなく胸が高鳴って、鼓動はドクンドクンと打ちつけるたびに存在感を増していった。
もはや自分の心臓の音しか聞こえない。
「それに」
ふいに彼が大きく一歩を踏み出して環の髪に顔を近づける。
「匂いも似てる。柔らかくて、ほのかに甘い」
顔がボッと熱くなって、鏡で見るまでもなく自分の頬が真っ赤に染まっているであろうことがわかった。
(こ、これは不意打ちすぎる!)