この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
『い、嫌っ! 無理!』
あの夜の自分の声が蘇る。
(今さらながら、どうしてもっと言葉を選べなかったんだろう)
再会してそれなりに和やかな空気で過ごせているのは環が新薬を営業するMRだからというだけで、それがなければ彼は自分の顔も見たくないのでは?
そんなネガティブすぎる妄想が頭をよぎって環はズンと肩を落とす。その肩を麻美がバシッと力強くはたいた。
「大丈夫よ! 男の考える〝脈あり〟は大抵外れてるけど、女のそれはほぼ正解だから」
「え、そうなの?」
萌香が聞くと麻美は自信たっぷりにウインクをしてみせる。
「私の統計ではそう。思わせぶりが得意な男もいるにはいるけど、環の彼はどう考えてもそういうタイプじゃないし絶対いける!」
麻美調べの統計……理系の人間としてはソースにツッコミを入れたくなるが、ふたりが自分を応援してくれる気持ちは十分に伝わってきて嬉しかった。
「ありがとう。彼とちゃんと向き合ってみる」
「がんばれ~!」
「環はあれこれ考えすぎるとダメなタイプよ。もうな~んも気にせず一線越えてみるのがオススメ!」
麻美のあけすけなアドバイスに環はまた頭を抱えてしまう。
あの夜の自分の声が蘇る。
(今さらながら、どうしてもっと言葉を選べなかったんだろう)
再会してそれなりに和やかな空気で過ごせているのは環が新薬を営業するMRだからというだけで、それがなければ彼は自分の顔も見たくないのでは?
そんなネガティブすぎる妄想が頭をよぎって環はズンと肩を落とす。その肩を麻美がバシッと力強くはたいた。
「大丈夫よ! 男の考える〝脈あり〟は大抵外れてるけど、女のそれはほぼ正解だから」
「え、そうなの?」
萌香が聞くと麻美は自信たっぷりにウインクをしてみせる。
「私の統計ではそう。思わせぶりが得意な男もいるにはいるけど、環の彼はどう考えてもそういうタイプじゃないし絶対いける!」
麻美調べの統計……理系の人間としてはソースにツッコミを入れたくなるが、ふたりが自分を応援してくれる気持ちは十分に伝わってきて嬉しかった。
「ありがとう。彼とちゃんと向き合ってみる」
「がんばれ~!」
「環はあれこれ考えすぎるとダメなタイプよ。もうな~んも気にせず一線越えてみるのがオススメ!」
麻美のあけすけなアドバイスに環はまた頭を抱えてしまう。