この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 麻美の言ったとおり環の敗因はすべてをさらけ出す勇気を持てなかった、これに尽きると思ったのだ。

 あの夜、「身体の関係はまだ怖い。もう少しだけ待ってほしい」と素直に言えていれば違う未来があったかもしれない。

 不感症の話だって高史郎が本当にそんなことを言ったのなら、その理由を聞くべきだった。

 衝突して、許し合う。徹底的な話し合いでウィンウィンの道を探す。仕事では当然にしていることが恋愛でできないはずはない。

(少なくとも、同じ失敗は繰り返さない!)

 環のそんな思いとともに、女三人の楽しい夜は更けていった。

 緑邦大病院チームでの定例ミーティングを終えたあと、みんなで雑談しながらエレベーターに乗り込む。

「そういえば今月の菊池さんの成績すごいみたいですね」

「あぁ。俺もその話、聞いた」

 自他ともに認める環のライバル武人は今年度からは私立大学の附属病院を担当している。

 緑邦大病院ほどの影響力はないものの最先端医療を中心にしている病院なので売上規模はとても大きい。
 
「そうなんだ、さすが菊池さん!」
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