この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 環は素直に称賛の声をあげた。

 担当変更の直後はドクターとの関係を築くだけで精いっぱいになってしまい、すぐに成績をあげることはなかなか難しいものだ。それをさらりとやってのけてしまう彼はすごい。

「うちも負けずにがんばりましょうね!」

 メンバーのそんな意気込みに環は「もちろん」とこぶしを握る。

 そのタイミングでエレベーターが自分たちのフロアに到着して、会話は一度途切れた。

 だから自分が遠ざかってからの彼らの話の続きを環は知らない。

「けど、菊池さんのチームメンバーがちょっと心配してたんだよな」

「え~、なにをですか?」

「過剰接待。危ういラインの営業をかけてるみたいでさ……」

 いつもは手早くランチを済ませて午後からは病院回りをすることが多いけれど、今日は午後に来客があるため一日デスクワークの予定だった。

(たまには外でゆっくりランチでもしようかな?)

 チームの誰かを誘おうとして、そういえばと思いついて彩芽を誘ってみた。

 彼女はこころよくOKしてくれて、ふたりで会社近くのカフェに入った。

 ここは野菜を中心にしたヘルシー料理がウリで女性に人気がある。
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