この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 頼んだ温野菜サラダとグリルサーモンのワンプレートランチが届けられてから、環は切り出した。

「この前はあまりゆっくり話せなかったけど、悩んでた件はその後どうかな?」

 ちょうど二週間ほど前。

 彩芽は派遣元のコーディネーターから『ライバルもいるし正社員を目指すならもっとがんばれ』というような話をされて、それに悩んでいる様子だった。

 このところは元気そうにしていたのでもう心配はいらないかもしれないけれど、気にかかっていたのだ。

「あぁ、もういいんです! 解決したので」

 彼女は明るい声でそう教えてくれた。

 もしかしたら正社員の件が正式に決まったのだろうか。派遣社員の人事の決定権は課長以上にあるのでチーフの環はなにも知らない。

 声をひそめて尋ねてみると、彼女はあっけらかんと首を横に振る。

「いえ、ほかに優秀な子がいたらそっちが優先になるかもって話でした」

 状況はちっともよくなっていなさそうだが、彩芽の表情はいやに晴々としている。

「でも、仕事以外に夢が見つかったんです。だからもういいかなって」

「そうなの?」
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