この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「学生時代もみんなが遊んでいるなか君は真面目に勉学に取り組んでいた。今回、うちの病院が新薬の導入を検討するのも君の脳梗塞という病気への深い理解と豊富な知識があったからこそだ。君の人間性が引き寄せた素晴らしい環境を恥じる必要はいっさいない」

「……要先生」

 あらためて、彼が好きだと思った。

いや、この感情は愛に近しいのかもしれない。

ドキドキ、ワクワクするといったような衝動的な部分だけではない。もっと深いところ、彼の人間性に自分は強く惹かれている。

(要先生が過去に私を『不感症』『つまらない女』と本当に言ったのだとしても、それでも私は……)

 すべての過去をひっくるめて今の彼を愛している。

「ありがとうございます」

 本当に嬉しいとき、伝えたい感情がたくさんあるときほど、言葉は出てこないものだ。

今もそれしか言えなかった。

 綺麗な弧を描く彼の目元、穏やかな笑みに胸が切なく締めつけられる。

こぼれそうになるこの思いを彼に知ってほしい。その気持ちのままに環は「あの!」と話を切り出した。

「なんだ?」

「今度、お時間をいただけないでしょうか?」

「MRとの面会なら木曜日以外の午後に――」
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