この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「要先生、お時間に余裕はありますか? もしよかったらどこか……」

 いきなり本題である告白を始めるのはさすがに勇気が出ない。

芸がないかなと思いつつ映画に誘ってみようと考えた。ところが環がそれを提案するより先に彼が言う。

「実は一応、今日のプランを考えてきたんだが」

 ものすごく恥ずかしそうに彼が話してくれる。

ひと駅先にある美術館でちょうど有名な画家の企画展をしているからそれを鑑賞して、そのあとはなんと……ヘリから夜景を眺めるクルージングを予約してくれたというのだ。

 環は幽霊でも見たかのように目を真ん丸くしてしまう。

「ヘリのナイトクルージング……要先生が?」

 あまりにも意外すぎる。その情報はいったいどこから得たのだろう? 

好奇心にあらがえずに尋ねると、彼はますます耳の辺りを赤くして打ち明けてくれた。

「うちの病院で一番ナースから人気のある先生に聞いた。彼が言うなら、まぁ間違いないんだろうと思って」

 緑邦大病院で一番人気のドクター、おそらく彼だろうなと思う顔が浮かぶ。

高史郎とは正反対なタイプのやや軽薄なモテ男だ。
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