この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 そう思って頬に手を伸ばした瞬間、「やっぱり!」という大きな声が耳に飛び込んできた。

「速水さんだよね? 覚えてないかな? 私、優実!」

 環を見つめていた彼女の顔がパッと輝く。

「ゆ、み……あ、あぁ!」

 正直、最初はピンとこなかった。

彼女の雰囲気はあの頃とずいぶん変わっていたから。

優実は大学の同級生だ。所属していた映画サークルで一番華やかだった女の子。

そして……。

『う~ん、〝要くん〟はあんな言い方はしてなかったけどね。ほら、速水さんは真面目だから……つまんないって感じ?』

 自分を打ちのめした、あの日の彼女の声が蘇る。高史郎の『不感症』発言を自分に教えてくれた人物、それが優実だ。

(い、今はあまり会いたくなかったかも)

 それが本音だった。が、優実はお構いなしに喋り出す。

「速水さん、すっごく垢抜けたね~。オシャレになった」

「あ、ありがとう。優実ちゃんも雰囲気が変わっていてびっくりした」
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