この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
裏通りは人気が少なく、時折思い出したようにやってくる車がふたりを追い越していくだけだ。
「環」
気がつけば、彼の顔が間近に迫っていた。
ゆっくりと確かめ合うように唇を重ねる。ふにっと柔らかなものが触れて、少し遠ざかったかと思うとすぐに帰ってくる。
彼の吐く、はぁというなまめかしい吐息が環の背中をぞくりとさせる。
「君に対して抱くこの感情がなんなのか……ようやく理解したよ」
環の後頭部をホールドしていた彼の手が動いて、頬を優しく撫でる。
「好きだ。俺はすごく君が好きなんだ」
全身に痺れるような震えが走る。
自分は十年もの間ずっと……この言葉を探して求めてさまよっていたのかもしれない。
「わ、たしもっ。要先生が好きです」
「うん」
磁石が引き合うように、そうしなくては生きていられないみたいに、甘いキスを繰り返す。
人が通りかかる可能性、そんな普通の思考すら完全に抜け落ちていた。
環の目には高史郎しか映らない。
(今さら、じゃない。今度こそだ。今度こそ……)
さらりとした感触の彼の頬を両手でそっと包み、環は悦びの涙で潤む瞳を高史郎に向ける。
「私、帰りたくないです」
「環」
気がつけば、彼の顔が間近に迫っていた。
ゆっくりと確かめ合うように唇を重ねる。ふにっと柔らかなものが触れて、少し遠ざかったかと思うとすぐに帰ってくる。
彼の吐く、はぁというなまめかしい吐息が環の背中をぞくりとさせる。
「君に対して抱くこの感情がなんなのか……ようやく理解したよ」
環の後頭部をホールドしていた彼の手が動いて、頬を優しく撫でる。
「好きだ。俺はすごく君が好きなんだ」
全身に痺れるような震えが走る。
自分は十年もの間ずっと……この言葉を探して求めてさまよっていたのかもしれない。
「わ、たしもっ。要先生が好きです」
「うん」
磁石が引き合うように、そうしなくては生きていられないみたいに、甘いキスを繰り返す。
人が通りかかる可能性、そんな普通の思考すら完全に抜け落ちていた。
環の目には高史郎しか映らない。
(今さら、じゃない。今度こそだ。今度こそ……)
さらりとした感触の彼の頬を両手でそっと包み、環は悦びの涙で潤む瞳を高史郎に向ける。
「私、帰りたくないです」