この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 環はキョトンと小首をかしげて、それからクスクスと笑い出した。

「私は家に招いてもらえて嬉しかったです! 気を許してくれてるんだなって感じがして」

 彼女はあまり嘘をつけないタイプだと思う。わりと表情に出やすいほうだ。

 だから今の言葉も本心からだと信じられた。

 高史郎はホッと安堵して、彼女の枕になっていないほうの手で柔らかな髪を撫でる。

「そうか。なら合鍵を渡すから、いつもで環の好きなときに来ればいい」

 一拍置いて、彼女は耳まで赤くなった。両手で自分の頬を隠すようにして唇をとがらせてぼやく。

「ち、致死量のデレを不意打ちしてくるのはやめてください。心臓に悪い……」

 照れている様子の環がかわいくて、もっと見たくて、高史郎は彼女の耳元に顔を近づけてささやいた。

「なんなら、一緒に暮らしてもいい」







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