この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「……彩芽ちゃんの婚約者って、もしかして社内の人だったりする?」
頭に浮かんだ疑問を彼女に投げかける。騒ぎを避ける理由は結婚相手も社内の人間だから?
なんとなくそんなふうに考えたのだ。
「い、いえ違いますよ! 全然、こことはなんの関係もない企業の人です」
すごい剣幕で否定され、環はちょっとたじろぐ。
「そうなんだ。変なこと聞いてごめんね」
(じゃあ、私の勘違いだったってことか)
彩芽は武人のことが好きなのかな?と感じることが何度かあったのだが、恋愛若葉マークの自分の勘はやはり当てにならなかったようだ。
アプローチのしつこい彼が修理してくれたコピー機はすっかり直った様子で問題なく動いている。
故障などがなければ、リース会社の営業さんは様子うかがいにひと月に一度顔を出すかどうかといったところ。
彩芽のことはしばらく心配ないだろう。そう思っていたのだけれど……。
金曜日の夜。
珍しく残業せずに会社を出た環はスマホをチェックして、ふふっと頬を緩める。
高史郎からメッセージが届いていたのだ。
【昼に食べたカレーパンがうまかった。今度、環のぶんも買っておく】
頭に浮かんだ疑問を彼女に投げかける。騒ぎを避ける理由は結婚相手も社内の人間だから?
なんとなくそんなふうに考えたのだ。
「い、いえ違いますよ! 全然、こことはなんの関係もない企業の人です」
すごい剣幕で否定され、環はちょっとたじろぐ。
「そうなんだ。変なこと聞いてごめんね」
(じゃあ、私の勘違いだったってことか)
彩芽は武人のことが好きなのかな?と感じることが何度かあったのだが、恋愛若葉マークの自分の勘はやはり当てにならなかったようだ。
アプローチのしつこい彼が修理してくれたコピー機はすっかり直った様子で問題なく動いている。
故障などがなければ、リース会社の営業さんは様子うかがいにひと月に一度顔を出すかどうかといったところ。
彩芽のことはしばらく心配ないだろう。そう思っていたのだけれど……。
金曜日の夜。
珍しく残業せずに会社を出た環はスマホをチェックして、ふふっと頬を緩める。
高史郎からメッセージが届いていたのだ。
【昼に食べたカレーパンがうまかった。今度、環のぶんも買っておく】