この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
(他愛ない内容のメッセージ、すごくカップルっぽい!)

 馬鹿みたいだけどじ~んと感動してしまう。

 らしいといえばらしいが、彼はマメなメッセージのやり取りは苦手だと言っていた。

 そうだろうなと想像はしていたし、長く……あわよくばずっと一緒にいたいから無理はしてほしくない。だから環はこう答えた。

『用事があるときだけでいいですよ。そりゃ、要先生からおはようメッセージとか届いたら嬉しいですけど……』

 環としては前半部分を強調したつもりだったが、彼は後半を重要視してくれたみたいで……想像以上にちゃんと連絡をくれるのだ。

 雑談が大の苦手な彼が自分にメッセージを送るために必死にネタを探したり考えたりしてくれる。

 なんて幸せなのだろう。

(好き。要先生が大好き)

 その感情が一瞬で膨れあがって、ジタバタと悶え出したくなった。

 初めて彼に恋をした十年前よりきっと今のほうが浮かれている。

 そんなとき、急に手のなかにあるスマホがブルブルと振動したので環は「ぎゃっ」と必要以上に焦ってしまった。

 慌てて確認すると、彩芽からの着信だった。

 彼女は自分より十五分ほど早く会社を出ていたはず。
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