この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「もしもし、彩芽ちゃん?」
『た、助けてください! は、速水さんしか頼れる人が……』
彼女は息を切らせていて、緊迫した空気がスマホごしにも伝わってくる。
「どうしたの? 落ち着いて、ゆっくり話して」
やや支離滅裂になっている彼女の説明を環は真摯に聞く。
「え? あのリース会社の彼が彩芽ちゃんを尾行?」
『は、はっきりと顔を見たわけじゃないんですけど……似ている気がします』
会社を出て駅に向かっていた彼女のあとを誰かが尾けている。その人物が例の彼かもしれないという話だった。
婚約者はまだ仕事中で頼れる人物が環しか思いつかなかったと彼女は言う。
正直とても驚いて環もすぐには頭が回らない。
アプローチがやや強引というところから、いきなりストーカーまがいの行為にまで発展するとは思ってもみなかったから。
「彩芽ちゃん、今、どこ?」
まずは彼女の安全確保が最優先だろう。
『近くのシティホテルのロビーに避難しました。ここなら常に人がいるから』
そのホテルは会社の最寄り駅である日本橋と東京駅のちょうど中間辺りにある。
「うん、賢明な判断だと思う」
『た、助けてください! は、速水さんしか頼れる人が……』
彼女は息を切らせていて、緊迫した空気がスマホごしにも伝わってくる。
「どうしたの? 落ち着いて、ゆっくり話して」
やや支離滅裂になっている彼女の説明を環は真摯に聞く。
「え? あのリース会社の彼が彩芽ちゃんを尾行?」
『は、はっきりと顔を見たわけじゃないんですけど……似ている気がします』
会社を出て駅に向かっていた彼女のあとを誰かが尾けている。その人物が例の彼かもしれないという話だった。
婚約者はまだ仕事中で頼れる人物が環しか思いつかなかったと彼女は言う。
正直とても驚いて環もすぐには頭が回らない。
アプローチがやや強引というところから、いきなりストーカーまがいの行為にまで発展するとは思ってもみなかったから。
「彩芽ちゃん、今、どこ?」
まずは彼女の安全確保が最優先だろう。
『近くのシティホテルのロビーに避難しました。ここなら常に人がいるから』
そのホテルは会社の最寄り駅である日本橋と東京駅のちょうど中間辺りにある。
「うん、賢明な判断だと思う」