この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
なぜ武人が自分をおとしいれようとしているのかはわからない。
けれど彼のほうが彩芽よりずっとその意志が強いのは見て取れた。
(それなら……)
虚偽を認めて真実を打ち明けてくれる可能性が高いのは彩芽のほうだろう。
環は彼女に顔を向けて訴える。
「私がこのホテルに行ったのはストーカーに尾行されていたあなたを助けるためだった。そうでしょう?」
「し、知りません」
環の視線から逃れるように彼女はうつむく。
環はジャケットのポケットから自分のスマホを取り出した。
「あの夜、彩芽ちゃんと電話した履歴もちゃんと残っているのよ」
揺さぶりをかける目的でそう言ってみた。
「あれはっ! 仕事のことで聞きたいことがあっただけです。ホテルなんて私は知らない」
(要先生の言ったとおりだ。通話の内容が確認できなければ意味はないか)
環と彩芽のやり取りを部長がいぶかしげな顔で見つめている。
(信じてもらえるかはわからないけれど、まずは説明を!)
「部長」
ところが、環の言葉を遮って武人が強引に話をまとめようとしてきた。
けれど彼のほうが彩芽よりずっとその意志が強いのは見て取れた。
(それなら……)
虚偽を認めて真実を打ち明けてくれる可能性が高いのは彩芽のほうだろう。
環は彼女に顔を向けて訴える。
「私がこのホテルに行ったのはストーカーに尾行されていたあなたを助けるためだった。そうでしょう?」
「し、知りません」
環の視線から逃れるように彼女はうつむく。
環はジャケットのポケットから自分のスマホを取り出した。
「あの夜、彩芽ちゃんと電話した履歴もちゃんと残っているのよ」
揺さぶりをかける目的でそう言ってみた。
「あれはっ! 仕事のことで聞きたいことがあっただけです。ホテルなんて私は知らない」
(要先生の言ったとおりだ。通話の内容が確認できなければ意味はないか)
環と彩芽のやり取りを部長がいぶかしげな顔で見つめている。
(信じてもらえるかはわからないけれど、まずは説明を!)
「部長」
ところが、環の言葉を遮って武人が強引に話をまとめようとしてきた。