この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「私はあなたの恋人にはなれません。お願い、なにも聞かずに別れて」
「意味がわからないな」
驚きに目をみはったあとで、高史郎はそう吐き捨てた。
「説明してくれ」という彼の言い分はもっともだ。
自分がどれだけ身勝手なことをしているのかはわかっている。
冷たそうな風貌とは裏腹に彼は優しい人。世界中の誰よりもそれを知っている自信が環にはある。
正直に理由を告げたら、高史郎はきっと無実を証明するために奔走してくれるだろう。きっと自ら巻き込まれにくる。
(だからこそ言えない)
環はそっと目を伏せ、雨で濃く染まったアスファルトを見つめる。
次の瞬間、ふいに腕を取られて気がつけば温かな胸のなかに抱きすくめられていた。
「俺はもう君を手放す気はない」
静かで強い愛の告白が環を揺さぶる。
彼の背中に回しかけた手が行き場をなくして、むなしく宙をつかんだ。
「甘えて、頼っていい。環は俺の恋人だ」
環はゆるゆると頭を振る。
「違うって……言ってるじゃないですか。お願いだからもう帰ってください」
ドンと彼の胸を突き返す。
「意味がわからないな」
驚きに目をみはったあとで、高史郎はそう吐き捨てた。
「説明してくれ」という彼の言い分はもっともだ。
自分がどれだけ身勝手なことをしているのかはわかっている。
冷たそうな風貌とは裏腹に彼は優しい人。世界中の誰よりもそれを知っている自信が環にはある。
正直に理由を告げたら、高史郎はきっと無実を証明するために奔走してくれるだろう。きっと自ら巻き込まれにくる。
(だからこそ言えない)
環はそっと目を伏せ、雨で濃く染まったアスファルトを見つめる。
次の瞬間、ふいに腕を取られて気がつけば温かな胸のなかに抱きすくめられていた。
「俺はもう君を手放す気はない」
静かで強い愛の告白が環を揺さぶる。
彼の背中に回しかけた手が行き場をなくして、むなしく宙をつかんだ。
「甘えて、頼っていい。環は俺の恋人だ」
環はゆるゆると頭を振る。
「違うって……言ってるじゃないですか。お願いだからもう帰ってください」
ドンと彼の胸を突き返す。