この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「えぇ、あとで確認が取れるように脳神経外科の医局では録音機能を作動させているんです」
それを聞いた瞬間、隣の武人の顔がほんのり青ざめるのを環は横目で見た。
「電話をかけてきたのは、こちらにいる菊池さんでした」
准教授への連絡は彩芽ではなく武人本人が行っていたらしい。
「准教授には『速水さんからの伝言』と言っていましたが……これは少し不自然では?」
高史郎がチームのみんなに視線を送ると、全員が力強くうなずいた。
「はい。速水チーフが伝言を頼むなら私たちの誰かだと思います。そのためのチーム制なんですから」
「当時の菊池さんは緑邦大病院の担当ではありませんし、あきらかに話がおかしいですよ!」
部長は誰の言いぶんを信じるべきなのか混乱している。高史郎が畳みかけるように話を続けた。
「逆に速水さんは、あのホテルに行った理由はこの会社で派遣社員として働く藤原さんに呼ばれたから……そう主張しています」
「あぁ、そういえば先日も速水さんはそんな話を」
それを聞いた瞬間、隣の武人の顔がほんのり青ざめるのを環は横目で見た。
「電話をかけてきたのは、こちらにいる菊池さんでした」
准教授への連絡は彩芽ではなく武人本人が行っていたらしい。
「准教授には『速水さんからの伝言』と言っていましたが……これは少し不自然では?」
高史郎がチームのみんなに視線を送ると、全員が力強くうなずいた。
「はい。速水チーフが伝言を頼むなら私たちの誰かだと思います。そのためのチーム制なんですから」
「当時の菊池さんは緑邦大病院の担当ではありませんし、あきらかに話がおかしいですよ!」
部長は誰の言いぶんを信じるべきなのか混乱している。高史郎が畳みかけるように話を続けた。
「逆に速水さんは、あのホテルに行った理由はこの会社で派遣社員として働く藤原さんに呼ばれたから……そう主張しています」
「あぁ、そういえば先日も速水さんはそんな話を」