この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「今は違うけど、これから恋に発展する可能性もあるよね? ほら、人肌恋しい季節になってきたし」
今は十一月。たしかにここからクリスマス、バレンタインデーと恋人たちのイベントが目白押しだ。
「麻美にとっては春夏秋冬いつだって恋の季節でしょ」
「まぁね。私のモットーは〝命短し、恋せよ乙女〟だから」
それでいて成績もキープしている要領のよさがちょっとだけ恨めしい。
「でもさ、時々はドキッとすることもあるでしょう? あれだけのイケメンだもん」
教室に向かいながら麻美はしつこく問い詰めてくる。
「全然ない」
そう言い捨てたものの、嘘をついた罪悪感か胸が少しだけギュッとなった。
本当は……彼に『環』と呼ばれるたびに全身の血がぶわりと巡って鼓動が速くなる。
返事をする自分の声は、意識して調整しないと絶対に上擦ってしまう。
自分に起きるこの変調を「恋」と呼ぶのかどうかは経験がなさすぎてわからないけれど――。
授業では使われない旧校舎、その二階の一番奥に映研の部室がある。
授業の合間の半端に空いてしまった時間をつぶそうと、環はいつものようにそこへ向かっていた。
今は十一月。たしかにここからクリスマス、バレンタインデーと恋人たちのイベントが目白押しだ。
「麻美にとっては春夏秋冬いつだって恋の季節でしょ」
「まぁね。私のモットーは〝命短し、恋せよ乙女〟だから」
それでいて成績もキープしている要領のよさがちょっとだけ恨めしい。
「でもさ、時々はドキッとすることもあるでしょう? あれだけのイケメンだもん」
教室に向かいながら麻美はしつこく問い詰めてくる。
「全然ない」
そう言い捨てたものの、嘘をついた罪悪感か胸が少しだけギュッとなった。
本当は……彼に『環』と呼ばれるたびに全身の血がぶわりと巡って鼓動が速くなる。
返事をする自分の声は、意識して調整しないと絶対に上擦ってしまう。
自分に起きるこの変調を「恋」と呼ぶのかどうかは経験がなさすぎてわからないけれど――。
授業では使われない旧校舎、その二階の一番奥に映研の部室がある。
授業の合間の半端に空いてしまった時間をつぶそうと、環はいつものようにそこへ向かっていた。