この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 今日はOB総会当日。

 大学内の小さなホールでちょっとした式典をして、その後は食事会。

 といっても現役学生と交流のあった年齢の近い卒業生しか参加しないし場所も普通の居酒屋。

 実態は規模の大きい飲み会といったところだ。

 男子はスーツ・女子はワンピースなどで少しフォーマルな格好をしている点だけはいつもと異なる。

 環の装いは黒いベロア生地のワンピース。ファッションは苦手分野なので麻美に選ぶのを手伝ってもらった。

 会話の中心になっているのは、きちんとサークル活動に参加している文系学部の華やかな子たち。

「へぇ~、映画を観るのは好きなんだ。撮るのも楽しいよ! 俺、こないだアマチュアの賞を取ってさぁ」

「わぁ、すごいんだね」

 環はずっと相づちを打つだけに終始している。

 名前も思い出せない誰かの話に耳を傾けつつも瞳は無意識のうちに高史郎を探す。

 残念ながら彼の席は自分ともっとも遠い対角線上にあった。

(わ、要くんが女の子に囲まれてる)
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