この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「ひどくない? 俺、具合が悪いんだし家まで送ってよ」
彼が環の腕をグイッと強く引く。ずいぶんと力強く、歩けないほど具合が悪い人間のそれとは思えなかった。
環は警戒を強めて一歩あとずさる。
「ごめん。それはちょっと無理なので」
逃げるように踵を返そうとすると、彼の腕がおなかの辺りに回って強引にタクシーに連れ込まれそうになる。
「――やっ」
恐怖で身体がこわばる。
(誰か、助けて!)
心の声が届いたのだろうか。
どこかから颯爽と現れた高史郎が「放せ」と怒気のにじむ声で告げて、彼の手をふりほどいた。
「か、要くん……」
彼はすぐにサッと環を自分の後ろにかばってくれる。大きな背中が頼もしくて、ホッと緊張がほどけた。
「彼ひとりで結構ですので。出してください」
高史郎は彼を完全無視して、タクシーの運転手に告げる。
「おいっ、なんでお前なんかが」
不満そうに口をとがらせた彼に高史郎は凍りつくような眼差しを向ける。
「そんなに彼女と一緒がいいなら三人で交番に行くか? 好きなほうを選べ」
「な、うぅ」
「女性を強引にタクシーに連れ込むのは犯罪行為だろう」
彼が環の腕をグイッと強く引く。ずいぶんと力強く、歩けないほど具合が悪い人間のそれとは思えなかった。
環は警戒を強めて一歩あとずさる。
「ごめん。それはちょっと無理なので」
逃げるように踵を返そうとすると、彼の腕がおなかの辺りに回って強引にタクシーに連れ込まれそうになる。
「――やっ」
恐怖で身体がこわばる。
(誰か、助けて!)
心の声が届いたのだろうか。
どこかから颯爽と現れた高史郎が「放せ」と怒気のにじむ声で告げて、彼の手をふりほどいた。
「か、要くん……」
彼はすぐにサッと環を自分の後ろにかばってくれる。大きな背中が頼もしくて、ホッと緊張がほどけた。
「彼ひとりで結構ですので。出してください」
高史郎は彼を完全無視して、タクシーの運転手に告げる。
「おいっ、なんでお前なんかが」
不満そうに口をとがらせた彼に高史郎は凍りつくような眼差しを向ける。
「そんなに彼女と一緒がいいなら三人で交番に行くか? 好きなほうを選べ」
「な、うぅ」
「女性を強引にタクシーに連れ込むのは犯罪行為だろう」