この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
「遅くなったから送る」
映画館を出ると高史郎がそんなふうに言ってくれた。
彼の実家は鎌倉で通うには少し遠いからひとり暮らしをしているそう。環も実家は静岡なのでひとり住まいだ。
ふたりのアパートは同じ私鉄の沿線だった。終電に間に合う時間なので一緒に駅まで歩き出す。
「寒いね~」
吐き出した吐息が白く浮かぶ。
「なんか飲む?」
少し先の自販機を彼は視線で示した。
「うん、あったかいの買いたいな」
高史郎はホットの緑茶を買って、ズズッとまるで湯のみから飲むような仕草でペットボトルに口をつけた。
(ふふ、緑茶……似合う)
彼のほうに意識が向いていたせいだろうか。
環はブラックの缶コーヒーを選ぶつもりだったのに間違って隣のボタンを押してしまった。
「あぁ! お砂糖の入ったコーヒーは苦手なのに」
受け取り口に転がってきたのはミルクと砂糖のたっぷり入ったカフェオレ。
「そうなのか?」
「うん。甘いココアやミルクティーは好きだけど、コーヒーの甘いのはどうも苦手で」
とはいえ買い直すのももったいない。
「仕方ないか」とつぶやいて環はカフェオレのプルタブを開ける。その手に、高史郎の手が伸びてきた。
映画館を出ると高史郎がそんなふうに言ってくれた。
彼の実家は鎌倉で通うには少し遠いからひとり暮らしをしているそう。環も実家は静岡なのでひとり住まいだ。
ふたりのアパートは同じ私鉄の沿線だった。終電に間に合う時間なので一緒に駅まで歩き出す。
「寒いね~」
吐き出した吐息が白く浮かぶ。
「なんか飲む?」
少し先の自販機を彼は視線で示した。
「うん、あったかいの買いたいな」
高史郎はホットの緑茶を買って、ズズッとまるで湯のみから飲むような仕草でペットボトルに口をつけた。
(ふふ、緑茶……似合う)
彼のほうに意識が向いていたせいだろうか。
環はブラックの缶コーヒーを選ぶつもりだったのに間違って隣のボタンを押してしまった。
「あぁ! お砂糖の入ったコーヒーは苦手なのに」
受け取り口に転がってきたのはミルクと砂糖のたっぷり入ったカフェオレ。
「そうなのか?」
「うん。甘いココアやミルクティーは好きだけど、コーヒーの甘いのはどうも苦手で」
とはいえ買い直すのももったいない。
「仕方ないか」とつぶやいて環はカフェオレのプルタブを開ける。その手に、高史郎の手が伸びてきた。