この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
 次の瞬間、環の身体はふわっと宙に浮いた。

 一瞬、なにが起きたのかわからなくてキョトンとしてしまう。

 高史郎にお姫さま抱っこされたのだと気がついたのは一拍置いてからだった。


 凜として清潔な彼の香りに包まれ、心拍数はこれ以ないというところまで上昇している。

「あ、あの重いでしょ? 私、ちっとも華奢じゃないし」

 百六十四センチとどちらかといえば背が高いし胸もわりとあるほう。つまり体重だってそれなりだ。

 そんな自分を高史郎が軽々と抱きあげたことに環は驚く。

 彼は環の身体つきを確かめるようにギュッと強く抱き寄せて言う。

「俺と比べたら十分華奢だな」

 高史郎はシングルベッドの上にそっと環をおろし、そのまま覆いかぶさってきた。

 ふたつの肉体がぴたりと重なると、言葉どおり彼が自分よりずっと大きくて逞しいことがはっきりとわかる。

 男性の筋肉質な身体は熱くて重い。のみ込まれてしまいそうな圧を感じた。

(え? 私、本当にこのまま彼と――)
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