この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
乱れたワンピースの裾から侵入した彼の手が素肌をまさぐる。
脇腹から胸元へとあがってきた瞬間、環はギュッと目をつむってしまった。
(こ、怖い! ダメだ。もうこれ以上は――)
「環?」
ようやく異変に気づいてくれた彼が心配そうにこちらをのぞく。
環はそんな彼を無意識のうちにドンと突き放してしまった。
「い、嫌っ! 無理!」
言葉を選ぶ余裕がなかったにしてもひどい言葉だ。
暴言を投げつけられた高史郎は困惑に瞳を揺らす。
気まずい沈黙が落ちて、環は耐えきれずに視線をそらした。
ちょうどそのとき、勉強用と思われるデスクの上に無造作に置かれていた高史郎のスマホが鳴り出す。
今の環には地獄に垂らされた救いの糸のように思えた。
だが高史郎はその着信を無視すると決めたようでデスクのほうを振り返ることすらしない。
一度は止まった着信音が間を空けずに再度流れる。
「で、電話……取ったほうがいいよ。急用かもしれないし」
繋がらないとわかってもすぐにかけ直してきたのだからその可能性は高いだろう。
けれど、環は本心から電話の主を心配したわけではない。
時間が欲しかったのだ。心を落ち着けて仕切り直すための猶予が。
脇腹から胸元へとあがってきた瞬間、環はギュッと目をつむってしまった。
(こ、怖い! ダメだ。もうこれ以上は――)
「環?」
ようやく異変に気づいてくれた彼が心配そうにこちらをのぞく。
環はそんな彼を無意識のうちにドンと突き放してしまった。
「い、嫌っ! 無理!」
言葉を選ぶ余裕がなかったにしてもひどい言葉だ。
暴言を投げつけられた高史郎は困惑に瞳を揺らす。
気まずい沈黙が落ちて、環は耐えきれずに視線をそらした。
ちょうどそのとき、勉強用と思われるデスクの上に無造作に置かれていた高史郎のスマホが鳴り出す。
今の環には地獄に垂らされた救いの糸のように思えた。
だが高史郎はその着信を無視すると決めたようでデスクのほうを振り返ることすらしない。
一度は止まった着信音が間を空けずに再度流れる。
「で、電話……取ったほうがいいよ。急用かもしれないし」
繋がらないとわかってもすぐにかけ直してきたのだからその可能性は高いだろう。
けれど、環は本心から電話の主を心配したわけではない。
時間が欲しかったのだ。心を落ち着けて仕切り直すための猶予が。