君の心に触れる時


春香が倒れた後、蓮は必死に彼女を病院へと運び、すぐに治療が施されることとなった。
春香の体は冷たく、顔色は悪く、意識が戻らないままでいた。蓮はその様子を見守りながら、心の中で不安と焦燥に駆られていた。

「お願い、春香…目を覚ましてくれ。」

蓮は何度も春香の名前を呼んだ。
医師たちが忙しく手を尽くす中、蓮はただ春香の手を握りしめていた。
彼女の冷たい手を握ることで、少しでも温かさを感じていたが、春香がいつ目を覚ますのか、どれほど不安で怖いかが蓮の胸を押しつぶすようだった。

数時間が過ぎ、春香の状態は依然として安定せず、医師たちは彼女の容態が予断を許さないことを告げた。

「今はただ、彼女の生命力を信じるしかない。」

医師の言葉に蓮はただ黙って頷くしかなかった。彼女の命を繋ぎ止めるためにできることは、彼女が回復するために祈ることだけだった。
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