君の心に触れる時


そして、ようやく蓮は春香の姿を見つけた。彼女は歩く速度が遅く、顔色が悪い。蓮は必死に彼女に近づき、声をかける。

「春香!」

春香が振り返ると、顔には疲れきった様子と、どこかぼんやりとした表情が浮かんでいた。蓮が彼女の名前を呼び、走り寄ると、春香の足がふらつき、体が崩れ落ちていく。

「え…?」

蓮は驚き、慌てて春香を支える。
しかし、彼女は意識を失いそうな様子だった。

「しっかりして、春香!」

蓮は春香を腕の中で支え、急いで病院の方へ戻ろうとした。
しかし、彼女の体は冷たく、手を握ると震えているのが分かった。蓮は焦りながらも、必死で歩きながら周囲を見渡す。

「春香、頼むから目を覚ましてくれ。」

そのまま、蓮は彼女を支えながら歩き、必死に病院へと戻る。心臓が痛いほどの焦燥感と不安を抱えながら、春香を抱えて走り続けた。
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