君の心に触れる時


春香はその後、数日間の安静を経て、ようやく体調が安定してきた。彼女は病室のベッドで目を覚まし、窓の外の景色を見ながら思った。

「こんなにも人に支えられて生きているんだ…」

その瞬間、蓮が病室に入ってきた。彼は春香のそばに座り、無言で彼女を見守っていた。春香は少しだけ笑顔を見せながら、蓮に言った。

「蓮、ありがとう。私、もう一度治療を受ける決心をした。」

蓮はその言葉に驚くとともに、心からの喜びを感じた。春香が治療を受ける決意をしたこと、それが彼にとってどれだけ大きな意味を持つか、言葉にすることができなかった。

「俺も一緒にいるから、何があっても君を支える。」

その言葉に、春香はしっかりと頷き、彼に微笑んだ。二人はこれから先も、一緒に歩んでいくことを誓った。
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