君の心に触れる時
その後、蓮が病室で一人悩んでいると、智己が突然訪れた。
「蓮、まだあいつを追い詰めてるのか?」
智己は少し怒ったように言う。蓮は振り向き、苦しげに答える。
「俺がしていることが、あいつを追い詰めてるってわかってる。でも、どうしても…」
智己は黙って蓮の話を聞き、少し間を置いてから言った。
「お前は春香の気持ちがわかっていない。
お前は必死になって支えようとしているけど、春香はまだその支えを受け入れられないんだ。
無理に前に進ませようとするんじゃなくて、ただ横にいてやれ。」
蓮はその言葉をしばらく黙って聞き、その後、深く息を吐いた。
「でも、どうすればいいんだ…春香が自分を守ろうとするあまり、ますます心が閉ざされてしまってる。」
智己は優しく肩を叩いた。
「春香は自分が傷つくのを怖がっているんだよ。それをお前が無理に開こうとすると、ますます固くなってしまう。」
その言葉に、蓮は少しだけ静かな表情を見せた。
「じゃあ、どうしたらいいんだ?」
智己はしばらく考えた後、静かに答える。
「お前ができるのは、ただ待ってやることだ。春香が自分を開く準備ができるまで、そばにいてやればいい。焦るな。」