君の心に触れる時
翌日、蓮は再び智己に相談する。
智己は蓮の疲れ切った顔を見て、一言だけ言った。

「蓮、お前が何を選ぶにしても、結局は自分を責めることになるんだろうな。」

「分かってる。でも、春香が望むのは…この子と一緒にいる時間なんだ。」

蓮の声には、医師としての冷静さではなく、夫としての切実な想いが滲んでいた。

「それなら、春香の希望をできるだけ叶えてやれ。その上で、俺たちができることを全部やるしかない。」

智己の言葉は冷静だったが、その目には親友としての優しさがあった。
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