君の心に触れる時
「春香がいない…?」
蓮は春香の病室を訪れると、彼女がいないことに気づいた。瞬時に不安が広がり、彼の目は鋭くなった。
スタッフに確認し、春香が自分で病院から抜け出したことを知った瞬間、蓮はすぐに動き出した。
「くそ、どこに行った…。」
そのまま、蓮は病院内を慌ただしく走り回り、春香の行方を追い始めた。
病院の裏口まで辿り着くと、春香の姿が見えたが、すでに彼女は遠くに向かって歩き出していた。
蓮は深く息をつきながら、彼女を追いかけることを決めた。
「春香、待って!」
蓮は全速力で追いかけた。
すぐに春香に追いつくと思ったが、道は曲がりくねっており、彼女の姿は次第に小さくなっていった。
蓮の足取りは次第に早くなり、焦りと不安が胸を締め付けた。
「頼むから、どこに行くんだ…。」
蓮の胸は苦しくなり、心臓が激しく打ち始める。彼女がどんな状況にいるのか、何かあったらどうしようと考えるたびに、恐怖が込み上げてきた。