本の王子と囚われのページ
わたしとあなた
中学三年生の冬に私の青春は終わったのかもしれない。
雪が学校の校庭を白く染め、頬はほのかに赤く染まり、吐く息は白く、手は氷のように冷たい。
隣には同級生で幼馴染の楓がいる。
華奢で長身で、お調子者な性格のただのイケメン。周りのみんなは彼を王子様として扱うけれど、私にとっては小さいころからつるんでいるガキンチョ。当然恋愛感情などない。
私は、どこにでもいるような普通の女子中学生。
顔もパッとしない、性格もただただ誰にでも優しいだけの普通の女子。おしゃれはほどほどに興味があるがのめり込むほどの物ではないと考える点は、普通ではないのかもしれない。
彼との馴れ初めは少し特殊で、私が幼稚園生の頃、施設の庭を抜けだして広い世界を探検してい時、偶然彼の家の庭に入っていたらしく召使に見つかり屋敷の中へと案内されたときに出会ったのだ。
普通ではないことはわかっている。なぜなら、彼は本物の王子様なのだから。
どこの国の王子なのかはいまだに教えてもらえていないが、亡命中なのだとか。
政治的なことはわからない。私はバカだから。
「ねぇねぇ、瑠衣ー。今日これ食べに行きたい!」
そういって、奏のスマホの画面には抹茶をふんだんに使ったクレープの写真が映し出されていた。
彼は毎週月曜日、必ずスイーツを食べるという習慣がある。
そして、瑠衣とは私のこと。
いつもの日常。いつも通りの帰り道。いつも通りの学校生活。それが――――高校になると一変した。
雪が学校の校庭を白く染め、頬はほのかに赤く染まり、吐く息は白く、手は氷のように冷たい。
隣には同級生で幼馴染の楓がいる。
華奢で長身で、お調子者な性格のただのイケメン。周りのみんなは彼を王子様として扱うけれど、私にとっては小さいころからつるんでいるガキンチョ。当然恋愛感情などない。
私は、どこにでもいるような普通の女子中学生。
顔もパッとしない、性格もただただ誰にでも優しいだけの普通の女子。おしゃれはほどほどに興味があるがのめり込むほどの物ではないと考える点は、普通ではないのかもしれない。
彼との馴れ初めは少し特殊で、私が幼稚園生の頃、施設の庭を抜けだして広い世界を探検してい時、偶然彼の家の庭に入っていたらしく召使に見つかり屋敷の中へと案内されたときに出会ったのだ。
普通ではないことはわかっている。なぜなら、彼は本物の王子様なのだから。
どこの国の王子なのかはいまだに教えてもらえていないが、亡命中なのだとか。
政治的なことはわからない。私はバカだから。
「ねぇねぇ、瑠衣ー。今日これ食べに行きたい!」
そういって、奏のスマホの画面には抹茶をふんだんに使ったクレープの写真が映し出されていた。
彼は毎週月曜日、必ずスイーツを食べるという習慣がある。
そして、瑠衣とは私のこと。
いつもの日常。いつも通りの帰り道。いつも通りの学校生活。それが――――高校になると一変した。
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