鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 四年前、二十三歳の私はJICAの一員として、看護師業務に携わっていた。そこで出会ったのが、陸上自衛隊の医官として派遣された当時二十九歳の羽白さんだ。

 出会ったというよりは『助けてもらった』というほうが正しい。

 お世辞にも整っているとは言い難い宿舎で休んでいたあの夜、私は現地の住民に襲われたのだ。『優しくしてくれたのは、自分に好意があるからだろう』と言いながら男に覆いかぶさられ危ないところだったのを、偶然物音を聞きつけた羽白さんが救ってくれた。

 怯えて震える私には一切触れず、上着をかけるだけに留め、一定の距離を保って『大丈夫だ』と声をかけてくれたあの気遣いは、一生忘れられない。

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