鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 仕事ができる女性とは、きっと彼女のような人を言うのだろう。そう思うほど、頼もしい雰囲気がある。

 だからか、そこに集まった人々は当然のように彼女の指示に従った。

 女性は倒れた男性の脈を確認し、すぐに呼吸を見た。迷いなく動く姿から、彼女は医療従事者だと悟る。

「私にできることはありますか?」

「助かる。救急車を呼んで」

 端的に言いながらも、彼女は私ではなく意識のない男性に目を向けていた。

「わかりました」

 そう答え、すぐに電話を始める。

 救急隊員と応対しながら、私は彼女のすることを目で追っていた。

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