鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 その眼差しがあんまりにも優しいものだから、やめると言えずにうなずいてしまう。

「無理をする必要はない。だめならだめと言ってくれ」

「……はい」

「変に意識しないほうがいいのかもしれない。『触られる』と思うよりは、『手を繋ぐ』と考えたほうが気が楽になるんじゃないか」

「手を繋ぐ……」

 提案された通りに考えようとするけれど、それは違う意味で緊張すると気づいてしまった。だけどもうここで止められる雰囲気ではない。

 彼は慎重に私の手を包み込み、気遣いながら指を絡めてくれた。

 こんなに丁寧に触れられたら、自分がガラスで作られた繊細な置物にでもなったような気になる。

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