鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 どうやらまだ私が夢の中にいる時間に、フィリピンで大規模な地震が発生していたらしい。自衛隊医官の悠生さんは、医療チームの一員として災害派遣に向かうのだろう。私が彼と初めて出会ったあの時のように。

 無事を祈ることしかできないのがもどかしい。彼が大変な状況だというのに、私はここで待つだけだなんて。

 本当になにもできることはないのだろうかと思った時、スマホの着信音が響いた。

 画面に表示された名前を確認する前に電話に出る。

『もしもし、律さん。元気にしてた?』

 その声は亜香里さんだった。皮肉っぽい言い方は気になるが、今はあまり気にしている余裕がない。

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