鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「おかげさまで。ですがどうしたんですか、こんな時に……」

『この間の件、いい加減考えてくれたかと思ってね』

 離婚するよう彼女に迫られたのを思い出して、不安が込み上げる。言葉の裏には暗い感情が潜んでいるのが手に取るようにわかった。

『時間なら充分すぎるほどあげたでしょ。それとも、なにも言われないからこのままでいいか、なんて思ってた?』

 またこんなふうに言われる日が来るとは思っていたけれど、それがいつになるかまでは考えていなかった。

 悠生さんが大変な時だというのに、こんな連絡を受けて小さな苛立ちが芽生える。

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