鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】

 その思いを胸に、患者のもとへ足を運んだ。



 ここへ来てからどれだけ時間が経っただろう。休憩をもらい、やっと少しだけ肩の力を抜いて支給された水を口に含む。

 目の前ではまだ傷を負った人々が運ばれているし、ボランティアスタッフも忙しなく走り回っていた。休みなく手伝いたい気持ちはありつつも、自分の時間を確保できたことにありがたさを覚える。

「羽白さん、休めてますか?」

 声をかけてきたのは、同じボランティアスタッフの一員だ。

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