鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 眉根を寄せた悠生さんが言う。目が合うと、なぜかなにも言えなくなった。悠生さんも私を見つめたまま唇を引き結んでいる。

 ふ、と声が漏れたのはほとんど同時だった。

 一瞬で気が緩み、頬の緊張が解ける。悠生さんもまた、眉を下げて微笑んでいた。

「君の顔を見た時、勇気をもらえた気がした」

「私もです。悠生さんがいるならもう大丈夫だと思いました」

 同じ気持ちだったのをうれしく思っていると、悠生さんが手を伸ばしてくる。なにかと思いながら目で追うと、目尻の近くを指でくすぐられた。

 その甘い感触に胸の奥が震える。

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