鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
たった一瞬で、彼を好きだと思っている私自身を引きずり出されたのがわかった。
「休憩中に顔を拭っておいたほうがいいな。泥がついていた」
「すみません、ありがとうございます」
ついさっきまで、彼を好きだという気持ちを上手に封じ込めて医療ボランティアのスタッフをやっていた。
なのに今は、すっかりいつも通りの自分に戻っている。
慌ただしく取り出したタオルハンカチで顔をこすると、私の泥を拭ってくれた悠生さんの手を包み込む。
「俺はいい」
「ついでなので。少し屈んでくれますか?」
「……ん」
悠生さんが困惑した様子で軽く頭の位置を下げる。
「休憩中に顔を拭っておいたほうがいいな。泥がついていた」
「すみません、ありがとうございます」
ついさっきまで、彼を好きだという気持ちを上手に封じ込めて医療ボランティアのスタッフをやっていた。
なのに今は、すっかりいつも通りの自分に戻っている。
慌ただしく取り出したタオルハンカチで顔をこすると、私の泥を拭ってくれた悠生さんの手を包み込む。
「俺はいい」
「ついでなので。少し屈んでくれますか?」
「……ん」
悠生さんが困惑した様子で軽く頭の位置を下げる。