鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 悠生さんの唇が私の唇を包み込み、濡れた感触を残して離れてから再び重なる。探るように唇を割った舌を受け入れると、口内を撫でられた。キスに慣れず戸惑う舌をすくい取られ、絡められて吐息が漏れる。

「もっと、ください」

 ほう、と息を吐きながら懇願すると、至近距離で悠生さんが口もとを緩めた。

「俺の台詞だ。……君が足りない。もっと欲しい」

 言葉を交わす時間がもったいないとでも言うように、悠生さんは角度を変えて繰り返し私にキスをする。

 ずいぶん前に、悠生さんに触れた時は震えた手が、今はトラウマからではなく喜びに震えていた。愛おしい気持ちがあふれて止まらない。

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